12月10日にアルバム「Low-tech High」をリリースしました。
5曲なんで世間的にはミニアルバムみたいな感じになるのかな?もうちょっと入れたい曲もあったんだけどイマイチ他の曲と合わなかったり、この5曲で収まりも良かったしということで「これで決まり!」って言ってリリースしました(笑)
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タイトルの意味は
・最新の制作環境で創っているのに、とんでもないくらい古い機材の音も同居させて独特な質感を出してることからLowとHigh
・作曲の仕方が伝統的だけど音は新しい
などいくつかありますが一個目が大きいです。特に気に入っているのですが、30年くらい前のカセットテープのレコーダーを使って録音した音をコンピュータに戻して再編集とか手間ひまかかることをしました。
なのですごく個人的な趣味がふんだんに盛り込まれてます。自分のために作ったんでねぇかってくらい(笑)
では一曲ずつ解説していきますね。
Light Breaks
これがいちばん最後に出来上がりました。ヤマハのシンセ(Reface CS)で音色を作っては「ラ」の音を出してそれをサンプリングするっていうのを30回くらい繰り返しました。同じ「ラ」が鳴ってるんだけどなんか違うというのをやろうと思ったのが始まりです。
途中からすごくメロディアスになりますけど「ラ」は鳴りっぱなしなんで不協和音にならないように慎重に和音付けしました。
これを思いついたのが結構ポーンって閃いた感じだったんで(しかも光付き)曲名に反映されています。
Long Ago Wish
結構前からやりたかったことの一つにずっとワンコードで歪んだギターの音がリズム刻んでっていうのやりたかったんです。九の音楽は曲を特にハーモニーですごく技巧的に展開させるものがほとんどなんですね。それは本当に楽しいことなんですけど、ちょっとその反対をやってみたくなった。田窪くんが嫌がりそうだなと思って個人名義の方で出させていただきました(笑)
The Once
「一期一会」がテーマになっている曲です。作り方もまさに一期一会でこれまたヤマハのReface CSで音色を作ってはそれに合うフレーズを作って録音してというのを繰り返しました。作った音色はあえてセーブせずに次に進むように心がけました。戻れるってわかると再考したくなっちゃうんですよね。そうするとなかなか曲が完成しない。。いい!と思ったらすぐ録って次!にしたかったんです。
この曲の制作途中でずっとクローゼットの段ボールにしまってあったカセットテープのマルチトラックレコーダー(TASCAM 424)をなぜか取り出してきてちょっと録音してみたらテープシミュレーターみたいなプラグインじゃ絶対出せないような汚い音(笑)で録音されて、これはおもしろいと思って結構使いました。
ちなみにTASCAM 424は他の曲でも結構使ってます。
Childhood in the Quiet
これは家でボーっとしててiPadのガレージ・バンドで遊び感覚で打ち込んだのが元になっています。僕、子供の頃から電車が好きであのガタンゴトンって音もすごい好きなんですよね。その音から始まってます。他にもいろんな音が入ってますが、なんとなく子供の頃を思い出すような感じになりました。リリース直後に「雪感」ありますねって感想いただいて、なるほど!と思いました。
Saltatio Clavile
この曲のアイディアがアルバムの中で一番古いと思います。自分のピアノ演奏をサンプリングしてそれでリズムトラック作れないかなと思ったのが最初です。タイトルのSsaltatio Clavileもラテン語ですけど英語に直すとPiano Danceですから(笑)
リズムパターンってなるとイマイチ自分が思い描いていたようにはいかなくて試行錯誤した結果、こんな感じになりました。
今回のアルバムのコンセプト、というか決まり事として「ピアノを演奏しない」という制約を設けました。ピアノは一番身近な楽器な分、作曲するときそれに頼っちゃうんですよ。
「ここちょっと足りない感じだけど、とりあえずピアノ入れておけばなんとかなるでしょ」みたいな感じで。それが嫌だったんたんで、いわゆる「演奏を前提としたピアノ」は5曲の内一つもありません。
この曲も「弾けって」言われたって無理でしょ(笑)エフェクター、シークエンス、サンプリングを前提としたピアノですね。
というわけでアルバム全体としても、曲それぞれにしてもいろんな考えや、発想がこの5曲にはたくさん入っていますのでぜひ聴いてくださいませ!


