2023年6月7日水曜日

柴橋伴夫の詩的地平



前回のブログでお知らせした札幌でのコンサート、無事に終わりました。

内容は詩人・柴橋伴夫さんの「22の詩のフラグメント」という22の詩に僕が所属する北海道作曲家協会の作曲家10名が分担して曲をつけて一つの声楽組曲にする、という実験的でよく考えたらかなり画期的な企画でした。
僕はその内の3曲を書き出品しました。

編成はソプラノ・アルト・テノール・バリトン & ピアノ

この中から色々チョイスして良いよ、ってことだったんですが、
僕は「4声あるんだったら合唱曲書けるじゃん!やったぜ!」しか頭になく書いた三曲、全部4声の合唱曲を書きました。
僕バッハの合唱曲が大好きなんです。それ以外の作曲家にもたくさん好きな合唱曲はありますけどバッハのマタイ受難曲は別格ッス。

ただちょっと困ったことがあって出来上がった曲10名分、全部フタを開けてみると
1曲で4声全部使っているのが僕しかいなかった(笑)

みんなソプラノとアルト+ピアノだったりテノール+ピアノといった構成だったので通して聴くと目立っちゃってちょっと恥ずかしかったです。

ただ10名も異なる作曲家が分担して曲を書いて、一つの組曲として成立させると全体的にチグハグになってもおかしくないのですが、何故か通して聞くと、まとまりのある奇跡的な組曲になりました。
これには心底驚きました。

なんでそうなったのかは柴橋さんの詩の世界観が良い意味で強かったんだと思います。

そんな柴橋さんは北海道(っていうか日本)を代表する書家の、「中野北溟先生」と縁深く、その中野北溟先生は、これまた書家である叔母「紅林幸子」の師匠の内の一人。
北溟先生と叔母の作品が展示される創玄書道展は欠かさず観に行っており、その作品を見るたびに心打たれておりました。
中野先生も叔母も来場していたので叔母を通して初めてご挨拶もできました。
なんという偶然と巡り合わせでしょうね。
こんな幸せなこと、なかなかないと思うんだよな。

コンサート自体も立ち見が出てしまう盛況な公演となりました。

この企画に関われたことに心より感謝します。


下から僕が担当した分の曲のリハーサル音源を聴けます。
(小さいレコーダーで録ったものだけどね)

22の詩のフラグメント"12 小さな鳥は"

22の詩のフラグメント"21 いろんな線が 22 かたちのピアニッシモ"


とにかく良い経験になった!!